ご希望の証券・証券会社情報を無料で検索できます。ホームメイト・リサーチTOP

証券・証券会社

証券会社情報

証券会社と先物取引

先物取引とは、あらかじめ定められた期日に決められた価格で特定の商品を売買することを約束する取引です。先物取引の投資対象は株価指数をはじめ、株式、原油、金、トウモロコシなど。買い、売り、どちらからでも取引を行うことができますが、一般的に、値上がりを予想する場合は買いから、値下がりを予想する場合は売りから取引を行います。なお、取引手数料は証券会社によって差があるため、事前に調べておくと良いでしょう。こちらでは先物取引の仕組みをはじめ、メリットやリスク、先物取引の進め方について分かりやすく説明。その他にも先物取引に適した証券会社の選び方など、先物取引をはじめる前に知っておくと便利な基礎知識をご紹介します。

先物取引とは何か

先物取引とはデリバティブ(金融派生商品)の一種であり、「予め定められた期日」に「特定の商品」を「取引の時点で約定した価格」で取引することを指します。通常の取引とは違い、約定を交わす時点でモノや権利といった「商品」は存在していなくても進めることができ、金銭の受け渡しも必要ありません。

基本的には価格変動による様々な影響を避けるために用いられる手段(リスクヘッジ)ですが、価格の調整機能や投機的な機能として利用される一面もあります。ここでは、先物取引によってもたらされる3つの機能についてご紹介します。

リスクヘッジ

リスクヘッジ

先物取引の特性上「リスクヘッジ」としての機能が本来の役割として挙げられます。売買の商品価格を前もって決めておくことで、将来、価格変動によって起こり得るリスクを回避し、安定した取引を行なうことができます。「ヘッジ」とはリスクを減少させるためにとられる行為を意味し、あくまで将来の不確定要素の排除のための行為であることが前提です。また、リスクヘッジには「買いヘッジ」と「売りヘッジ」という2つの方法が存在します。

買いヘッジ

将来、商品の価格が値上がりすると予想される場合に行ないます。取引の時点で価格を決めておいて、商品の値上がりがおきた場合にも約定した価格で購入することができます。商品の値上がりによって生じる、価格変動の影響を回避することが目的です。

売りヘッジ

将来、商品の価格が値下がりすると予想される場合や、市場価格の下落によって現在保有している資産価値が目減りしてしまうリスクがあるときに行なわれます。取引の時点で売却価格を決めておき、値下がりによって生じる、価格変動の影響を回避することが目的です。

商品価格の調整機能

商品価格の調整機能

先物取引における価格は、公開の市場の中で多数の参加者が競り合うことで決定されます。つまり、売り手と買い手それぞれの意思決定の合意に委ねられるために、その時点で最も公正な価格が決められることになります。これを価格調整機能と呼び、決定した価格を指標にして生産者が生産調整を行なう場合もあります。商品価格の乱高下を防ぎ、需給に見合った価格形成が実現されます。しかし、仕手やファンドの介入により価格が乱高下する場合もあるので、一定の注意は常に必要です。

投機としての機能

投機としての機能

先物取引においては、価格の変動によって利益を得る「投機」としての機能もあります。将来の価格の上昇と下落を予想して売却や買い戻しを行なえば、その差額を利益として得ることができます。投機を目的に先物取引を行なう場合は、リスクヘッジを目的とする取引とは異なり、自ら将来の価格を予測します。取引対象の商品価格の変動に影響する要素である、政治や経済、財政などの見通しをしっかりと立てて行なう必要があります。

こうした投機を目的とした取引が存在することによって先物市場は大きく変動し、取引の規模も大きく増大し、流動性も高まります。取引者の意図により価格を乱高下させる場合もあり、結果的に市場の混乱を招く事態へと発展することもあります。

先物取引の仕組み

先物取引の仕組みとして、まず認識しておきたいのは「決済が将来に行なわれる」ということです。取引の時点では、空想上のモノとお金を前提に進められます。そのため決済が来るまでは、モノの引き渡しやお金の支払いは行なわれません。

先物取引の例

先物取引の例

実際に、先物取引の仕組みを例に挙げてご紹介します。先物取引は買い手と売り手の契約によって進められます。今回はダイヤモンドを例にして、決済までの仕組みを解説します。

商品と価格の決定(約定)

Aさんは現在、宝石店で100万円のダイヤモンドを購入しようと思っています。しかし、Aさんが持つ現在の資金では購入することができないため、来年のボーナスまで待つことにしました。ただ気がかりなのは、ダイヤモンドは需要と供給のバランスなどの理由により、価格が変動していきます。1年後にこれ以上価格が上がった場合には、購入できないといった事態も考えられます。

そこで、Aさんは宝石店でダイヤモンドの予約をすることに決めました。1年後(決済日)に100万円で売買する取り決め(約定)を店側と交わしたので、これ以上値上がりしてダイヤモンドが購入できなくなるといった心配は解消されます。そしてAさんは1年後、取り決め通り100万円を支払い、ダイヤモンドを手にすることができました。

考えられるケース(値上がり)
ダイヤモンドは供給量の減少により、105万円に値上がりしていました。1年前に予約していたAさんは、宝石店との取り決め通り100万円で購入することができます。この場合は通常よりも、差額分の5万円安く購入ができたと考えられます。
考えられるケース(値下がり)
ダイヤモンドは供給量の増加により95万円に値下がりしていました。もちろん予約の解除などはできないため、Aさんは100万円で購入しなければなりません。この場合は通常よりも、差額分の5万円多く支払うことになったと考えられます。
先物取引の結果
2つのケースをご紹介し、値下がりの場合には実質5万円の損が発生し、取引は無意味であったと考えるかもしれません。しかしAさんはダイヤモンド価格の値上がりにより、購入ができなくなる最大のリスクを回避(ヘッジ)しているので、この取引は有用であったともいえるでしょう。先物取引とは将来の価格変動が分からないからこそ、意味のある仕組みなのです。

実際の先物取引

先程の例でもわかるように、決済日まで実際にモノとお金のやり取りは一切ありません。これが空想上のモノとお金を前提にして進められる先物取引の大きな特徴です。

先物取引はもともと、ヨーロッパで生まれアメリカで発展したと考えられています。つまりヨーロッパでは胡椒、アメリカではトウモロコシといった、価格変動の激しい穀物類を商品として行なわれた取引です。もちろん穀物は収穫を終えるまで、売り手に引き渡すことができません。それと同様に買い手も決算前にお金を支払う必要はなく、この時点ではモノもお金も空想上の存在にすぎません。

決済日を迎えると先物取引は空想の世界では無くなり、実際のモノとお金を交換して決済となるのです。このような「決済が将来に行なわれる」対象(金融商品)は、株、債権、金利、通貨などにわたります(金融先物取引)。

商品先物取引

商品先物取引とは穀物やダイヤモンド、ガソリンといった、「目にみえるモノ」を対象にして行なわれます。ただし、モノであればすべて商品先物取引に該当するという訳ではなく、取引所で対象商品となっていることが条件になります。主に、価格変動のリスクヘッジを目的として行なわれます。

商品先物取引のポイント

商品先物取引のポイント

商品先物取引は、取引所にて行なわれます。「目に見えるモノ」を対象にした取引ではありますが、希望が無い限りは商品の受け渡しはなく、差金の決済だけで取引を終えることがほとんどです。そのため、輸送費や保管など手間がかからないことも、大きな特徴といえます。ここでは、商品先物取引の仕組みを知る上での、重要なポイントをご紹介します。

取引単位と呼び値

商品先物取引において、市場で取引する際の単位は「枚」が使われ、1枚あたりの数量や重量は商品の種類によって異なります。取引所で売買の注文をする際に最小限で動く価格の単位を呼値(よびね)といいます。例えば、東京商品取引所で金を取引した場合は1㎏が1枚になりますが、実際に売買の対象になる価格は1gの価格(呼値)で表示されます。

限月(げんげつ)

限月とは「期限の月」の略称であり、商品を売買するのに決められた最終決済月のことを指します。この限月は各取引所や取り扱う商品によって、それぞれ定められています。期限が近いものを「期近(きぢか)」、期限が遠いものを「期先(きさき)」と呼びます。

証拠金

将来の価格を想定して取引が行なわれるため、損失が生じる場合も充分に予想されます。もし、損失が生じた場合に決算を契約通りに行なうために、取引所によって定められた一定額の証拠金を事前に支払う必要があります。額については取引所で様々ですが、大体が取引する商品の全体の価格より3~10%に設定しています。なお、商品先物取引によって損失が生じるのは「買い手側」、「売り手側」のどちらにもいえることであり、証拠金の支払いは双方に課さられます。

ザラバ取引と板寄せ取引

日本においては現在、「東京商品取引所」と「大阪堂島商品取引所」にて商品先物取引が行なわれています。それぞれの取引所では取引形態が異なり、東京商品取引所では「ザラバ取引」、大阪堂島商品取引所では「板寄せ取引」が採用されています。

「ザラバ取引」は「価格優先の原則」と「時間優先の原則」に従って進められ、開始から終了までを通して一定の取引時間を決め、時間内であればいつでも注文を出すことができます。

「板寄せ取引」は各銘柄の限月に合わせて複数回を集中的に行ない、「売り注文」と「買い注文」を合算して価格を決定する、オークション方式で進められます。「売りの数量」と「買いの数量」双方の数量が一致するまで、価格の競りは続けられます。

商品先物取引の留意点

商品先物取引は「ハイリスク、ハイリターン」の取引だということを、特に留意しておかなければなりません。価格変動のリスクを回避でき、少ない投資額で取引ができると手軽にできると思いがちですが、実際は証拠金を預けることで商品価格の10倍や20倍といった大きな取引をしています。証拠金はいい換えれば「担保金」なので、損失を出せばそれ以上の多額の金額を請求されます。かつ、売買の期限が決まっているので、その期日が来たら必ず決済されるということもよく考えておきましょう。「将来」という最も不明確なものを相手に取引を行なうことは、現状が一転するという大きなリスクも抱えることになるのです。

金融先物取引

金融先物取引とは、言葉の通り「金融」を対象に行なわれる先物取引を指します。常に価格や数値が変動する金融商品や金利を売買することで、債権や株式の価格変動、金利変動のリスクヘッジに利用されます。また、現物と先物の価格差を利用して利益を得る裁定取引(アービトラージ)、将来の価格を予想して行なう投機取引(スペキュレーション)として行なわれる場合もあります。

金融先物取引の主な種類

金融先物取引の主な種類

金融先物取引は取引の対象となる商品によって、様々な市場が成り立っています。代表的な金融先物取引の種類をご紹介します。

国債先物取引

国債先物取引

国債証券を対象とする先物取引。金融商品取引法によって定められた国債証券とみなされる中期(及び長期、超長期)国債標準物が取引対象とされています。日本では東京証券取引所で行なわれています。

株価指数先物取引

株価指数先物取引

株価指数を対象とする先物取引。日本では東京証券取引所と大阪証券取引所で行なわれ、それぞれの証券所で3月、6月、9月、12月をスタートとした決済時期の異なる取引が同時進行されています。各限月の第2金曜日の前日が最終決済期限として設定され、その始値で差金決済が行なわれます。日本では主に以下4つの株価指数先物取引が代表的です。

  • 日経平均株価先物
  • 日経225先物取引
  • 日経株価指数300先物
  • 東証株価指数先物

金利先物取引

金利先物取引

金利を対象とする先物取引。通常の先物取引の場合は契約価格が呼値に使われるのに対し、金利先物取引は貸し借りの金利指標が呼値として使用されます。日本では東京証券取引所で行なわれており、現在は「ユーロ円3か月金利先物」、「ユーロ円3か月金利先物オプション」、「担保コールオーバーナイト金利先物取引」が、上場されています。

通貨先物取引

通貨先物取引

為替レート(通貨)を対象とする先物取引。特定の為替レートを通貨の交換する売買数値として設定し、限月時点での為替レートの結果で、金利との差額を精算します。投資家と金融機関との間で行なわれるパターンと、取引所を経由して行なわれる2つのパターンがあります。金融機関と取引を行なう場合は期日や価格、量などは個別で自由に設定され、決済当日の通貨の金利差などによって決められます。一方、取引所の場合は、通貨の交換ではなく、現時点で一定の価格で売買することを約定して行なわれます

金融先物取引の留意点

金融先物取引の留意点

金融先物取引において特に留意するべき点は、常に価格や数値が変動する不確定要素が大きいということです。もちろん、それらの不確定要素を回避するために先物取引は行われるのですが、やはり大きなリスクはつきものです。そのため価格変動に注意して取引を行なわなければ、時に商品先物取引以上に証拠金システムによるレバレッジ(てこ)効果が生じ、元の金額に比べて莫大な損失が発生することもあります。

また、金融先物取引は業者を経由して取引を行なう場合が多いので、ネットなどの口コミをチェックしながら良い業者を探すことをおすすめします。迷惑な電話や突然の訪問によるしつこい勧誘が法律により禁止されているので、少しでもおかしいと感じたら手を出さないように心掛けましょう。

先物取引のメリットとリスク

どのような証券取引において、メリットとデメリットはあります。もちろん、先物取引も例外ではありません。先物取引は「ハイリスク・ハイリターン」の取引だといわれています。これは少ない投資で大きな利益が見込める一方、常に想定外の損失を生み出す危険性を抱えることになります。ここでメリットとデメリットをよく理解しておき、自分の資産に見合った先物取引を心掛けましょう。

先物取引のメリット

先物取引のメリット

価格変動による影響を避けるリスクヘッジなど、損失を回避することだけが先物取引のメリットではありません。先物取引のメリットとして代表的なものをご紹介します。

「買い」と「売り」どちらでも取引ができる

先物取引では「買い」だけではなく、「売り」からでも取引を行なうことが可能です。これはいい換えれば、相場が上がるときも下がるときも、利益を生み出すチャンスがあるということになります。将来に必ず値上がりすると予想すれば「買い」の取引に入り、結果値上がりすれば「売る」ことで利益を得ます。反対に、将来に絶対に値下がりすると予想すれば「売り」の取引に入り、結果値下がりすれば「買い」を出すことで、その値幅の差額を利益として得ることができます。

小額の資金から取引ができる

取引を始める際に必要な資金は、総取引金額の5~10%です。つまり、預けた証拠金の10~20倍という大きな取引をすることができるのです。取引をした際にも、少しの価格変動で大きな利益を生み出すことが可能です。もちろん、この要素はメリットだけではなくデメリットにもなり得ます。小額で取引を行なえるということは、それだけ簡単に手を出せるということにも繋がります。

短期間で利益を生み出すことができる

商品先物取引の場合、対象となるのはガソリンや原油など価格変動の振り幅が大きな商品であることが多いです。もし予想通りに価格の動いたときには、わずかな期間で大きな利益を得ることが可能になります。

先物取引のデメリット

先物取引のデメリット

商品先物取引を行なう祭は、特にデメリットをよく理解しておく必要があります。仕組みを理解しないまま取引を進めると、複雑な支払いや損失を生み出す結果になる場合もあります。先物取引のデメリットとして代表的なものをご紹介します。

元本保証がされていない

先物取引は株式取引などと同様に、投資資金に対する元本の保証はされていません。株取引は投資した企業が倒産し、価値がゼロになっても元本を超える損失はありませんが、先物取引の場合は相場が想定と反対の動きがでたときには、追加の資金投入、または元本を超える損失が発生することもあります。

証拠金の追加

これは「証拠金取引」であることの特徴でもあり、相場が予想に反した動きをして大きな損失がでた場合に、追加で証拠金を納めなければならない制度が存在します。こちらは総取引量に対する証拠金の割合が一定値下回った場合に発生し、場合によっては少しの価格変動で大きな証拠金の追加が必要になることもあります。

取引のリスクが大きい

こちらはメリットの項目にもあるように、小額の資金で大きな取引ができることにも繋がります。単純に大きな利益が望める反面には、常に相場が予想に反した動きを見せた場合に大きな損失が発生するということをよく理解しておかなければなりません。

先物取引の進め方 ①証券会社の選び方

証券会社を選ぶ際に一般的によく注目されるのが、取引手数料の価格です。もちろん取引手数料は安いにこしたことはありませんが、先物取引のようなデリバティブな取引の場合、より総合的なサービスに着目した判断が必要となります。ここではより良い先物取引を行なうために、重視すべき証券会社選びのポイントをご紹介します。

証券会社を選ぶ前に

証券会社を選ぶ前に

まず、証券会社を選ぶ前に自分がどのような取引を望んでいるのかを整理しておく必要があります。年に数回しか取引を行なわない場合には、手数料の価格より取り扱う商品の多様性といったサービス面に着目した方が、幅の広い商品の中からじっくりと検討して進めることができます。反対に、月に何回もアクティブに取引を行なう場合には、手数料が一定期間において定額制価格の証券会社を選ぶなど、コスト面も視野に入れて選ぶのが良いでしょう。また、金やガソリンといった工業系の商品は多くの証券会社で扱っておりますが、トウモロコシなどの穀物系は証券会社によって銘柄に差がありますので、事前に調べておくのが賢明です。

証券会社を選ぶポイント

証券会社を選ぶポイント

株式と比べて、先物取引を扱う証券会社は全体数からみても多くはありません。きちんとポイントを見極めることで、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことはさほど難しくないでしょう。

注文の執行条件

注文の執行条件

一度の取引で「ハイリスク・ハイリターン」を抱える先物取引において、自分の注文に「条件」を付けた取引を行なうことはとても重要です。注文の執行条件は各証券によって可能な範囲が異なり、取引のスタイルによっては必須となる条件もあるので注意が必要です。判断に迷う場合は、より取引の執行条件の種類が多い証券会社を選びましょう。選択肢を広げることで、いざというときに役立つ可能性が上がります。

発注スピード

発注スピード

先物取引はリスク管理に重点を置いて行なう必要があるため、取引に緊急を要する可能性は往々にして考えられます。そのときに重要になってくるのが、発注スピードの迅速性です。例えば、深夜に取引を行なう必要が生じた場合、契約している証券会社のコールセンターが24時間体制かどうかで状況が大きく変わる可能性があります。そのような証券会社のサービス体制は、事前に確認しておくことが大切です。

バーチャル取引システム

バーチャル取引システム

特に先物取引をこれから行なうという、初心者には必須ともいえるサービスになります。先物取引のシステムそのものを理解することはもちろん、実践と同じような緊張感の中、必要な判断力を養うことにも役立ちます。バーチャル取引システムについては、証券会社によって性能が大きく異なります。形式だけの簡易的なものから、本番さながらのクオリティで使用できるものまで様々です。

手数料

手数料

冒頭で述べたように、手数料の価格の良し悪しで先物取引を行なう際の証券会社を決めることは禁物です。つまり、いくら手数料が高くても充実したサービスを備えている証券会社であれば、契約するのに最適な業者だということもできるのです。一般的に手数料が安い証券会社は、それだけサービスに比重を置いてない場合が予想されます。先物取引においては、手数料価格といった目の前の条件に気をとられることなく、総合的なサービスを見越して契約するように心掛けましょう。

先物取引の進め方 ②証券総合口座を開設

証券会社を通して先物取引を行なう場合には、証券総合口座の開設が必要になります。ここでは証券総合口座の開設方法をはじめ、資金の入金、取り引きまでの流れをご紹介します。なお、証券総合口座に投資家が預けた資金は自動的にMRF(マネー・リザーブ・ファンド)で運用されます。

証券総合口座とは?

証券総合口座とは?

証券総合口座とは、証券取引における売買代金の受け渡しなどができる口座を指します。以前は、売買ごとに証券会社への送金・証券会社からの振り込みが必要でしたが、1997年(平成9年)の金融ビッグバン以降は証券総合口座が活用されています。

MRFとは?

証券総合口座では、入金した資金はMRF(マネー・リザーブ・ファンド)という安全性が高い債券(国債、地方債、公社債など)の運用に投資されます。そのため普通預金に預けるよりも少し高めの利子が付きます。元本保証ではありませんが、現在まで元本割れしたことはありません。MRFを購入したくない場合は、証券口座の開設時に申請することができます。もちろん、資金はいつでも手数料なしで引き出すことが可能です。

証券総合口座の利用

証券総合口座のサービスは証券会社によって異なりますが、株式や債券の購入・売却代金の受け払いに対応する他にも、様々な機能を持っていることがほとんどです。公共料金の引き落とし、給与の振込みなどの機能を持っている以外にも、金融機関のATMやCDで入出金ができるキャッシュカードの発行、クレジットカード代金の引き落とし、取り引きに応じたポイントサービスが付くものもあります。

証券総合口座を開設

証券総合口座を開設

証券総合口座の開設には、証券会社に申込書を提出して審査を受ける必要があります。申込書の提出方法としては、証券会社などの窓口で記入する方法と、電話やインターネットで資料請求を行ない、必要事項記入の上、申込書を返送する方法があります。申込書には住所や氏名といった基本的な情報の他、年収や投資経験・目的、金融資産などを記入する項目があります。これは金融商品取引法で定められている「適合性の原則」のルールに則っており、投資経験や投資目的、金融資産にそぐわない人を勧誘してはいけないという要件を、証券会社は満たす必要があるからです。

申込書には記入する際に注意の必要な項目もありますので、直接窓口へ出向いて申請を行なうとスムーズでしょう。窓口での申請には、印鑑、運転免許証・パスポートなどの本人確認書類、本人の金融機関(銀行、郵便局など)の口座番号の控えなどが必要になりますので、事前によく確認しておきましょう。

取引の開始

取引の開始

審査が終わって口座が開設されると、証券会社から口座番号や暗証番号、オンラインの場合はIDやパスワードが記載された書類が届きます。先物取引の場合はここから「先物・オプション取引口座」の開設が必要となります。申請手続きの方法は各証券会社により異なりますが、多くはウェブサイトにて「先物・オプション取引口座」の申し込みを行ない、口座開設審査を受けることになります。審査終了後は、さらに署名と捺印を記載した申込書の送付が必要な場合と、メールにて「先物・オプション取引口座」の開設完了の連絡を受ける場合があります。「先物・オプション取引口座」開設までの流れは、事前にウェブサイトにて知ることができるので確認しておくと良いでしょう。

以上が完了となりましたら、いよいよ取り引きが開始できます。入金は銀行窓口やATMからの振り込みの他、インターネットバンキングでパソコンや携帯電話から入金することも可能です。取引や預かりの状況は定期的送られてくる、「取引残高報告書」でや、ウェブサイトの口座管理画面で確認することができます。

先物取引の進め方 ③注文の発注

先物取引を進める際、任意の注文を発注するには、決まったルールに従いながら行なう必要があります。注文の発注方法には様々な種類があり、状況や優先順位に応じて使い分けて取引を進めていきます。先物取引初心者の人は、いきなりすべての注文の発注方法を覚える必要はありません。しかし、ひとつでも多くの注文発注方法を把握することで、それだけ優位に取引を進められることを覚えておきましょう。ここでは、代表的な注文の発注方法を中心に、その特徴などをご紹介します。

主な注文の発注方法

主な注文の発注方法

代表的な注文の発注方法を下記に挙げます。基本的には、一度発注をかけたら注文の種類の変更や取り消しができないと考えて下さい。取引を行なう前に仕組みをよく理解しておいて下さい。

成行注文

成行注文

実際の先物取引市場において注文を発注する際に、基本的な2種類のうちひとつがこの「成行注文」です。マーケットオーダーとも呼ばれ、今すぐに買おう、今すぐに売ろうというときに使われます。価格を指定せずに行なうため、発注時の市場価格で即座に成立します。他の注文よりも優先して成立し、ある意味シンプルな発注方法でもありますので、使用される頻度も割と高いようです。

指値注文

指値注文

前述でご説明しました成行注文と同じく、基本的な発注方法のもう1つが「指値注文」です。意味は名称の通り、値段を指定して行なう発注する方法です。こちらはリミットオーダーと呼ばれ、自分の希望する価格で買いたいときや、売りたいときに使われます。イメージとしては、株式と近い発注方法と捉えられます。

ストップ注文(ST注文)

ストップ注文(ST注文)

買いの場合には「指定した株価より高くなったら買い」、売りの場合には「指定した株価より安くなったら売る」という成行注文に条件を追加した注文方法です。基本的には損失額を一定の額に留まらせ、これ以上に大きくならないようにすることを目的に使用されます。1点注意が必要なのが、価格がその値段に達してから注文が行なわれるということです。つまり、必ずしもその値段で約定される訳ではありません。しかし、イレギュラーなシーンを除いてはその値段付近で約定されるため、想定する範囲内の損失には抑えることができるでしょう。

ストップリミット注文(STL注文)

ストップリミット注文(STL注文)

任意の価格まで下がった場合に、指定した価格で売ることで損失を抑えるための注文方法です。よくストップ注文と混同されがちですが、「ストップリミット注文」の場合は指値注文で売るということで区別されます(ストップ注文は成行注文で売ります)。売りのオーダーを出す際にも価格を指定することになりますので、注文自体が約定されない場合も大いにあります。ストップリミット注文を発注する場合には、それなりのリスクも覚悟しておいた方が良いでしょう。

注文の優先順位

注文の優先順位

先物取引において注文を発注する際に、覚えておくべき2つの原則があります。それは、発注に作用する注文の優先順位です。それぞれをしっかりと把握しておかなければ、注文が無効となってしまう場合も大いに考えられます。想定内の取引を行なうためにも、ここでしっかり理解しておくと良いでしょう。

価格優先

取引において、注文価格の大小により優先順位が決まる原則です。

  1. 「高い」買いのリミット注文>「安い」買いのリミット注文
  2. 「安い」売りのリミット注文は>「高い」売りのリミット注文
  3. 成行注文は他の注文に対し価格として最優先

時間優先

取引において、注文時間の差により優先順位が決まる原則です。

  1. 同価格の注文の場合:先に受けた注文>あとに受けた注文
  2. ストップ注文は条件を満たして受理された時間で優先の順位を決定
  3. ストップ注文以外は取引所システムに登録された時間で優先の順位を決定

先物取引の進め方 ④転売・買戻し

先物取引の大きな特徴のひとつとして、決済日前であれば自由に転売や買戻しの手続きを行なえるということが挙げられます。これは反対売買とも呼ばれ、先物市場において売り手の場合は「買戻し」、売り手の場合は「転売」を行なうことによって、約定した契約を解消することができます。

転売・買戻しの特徴

転売・買戻しの特徴

取引最終日以前に契約を解消する「転売・買戻し」という決算方法は、様々な条件下で行なわれていきます。これらの特徴は先物取引自体のメリットやデメリットとして挙げられることも多いので、よく理解しておくと良いでしょう。

取引相手の承諾

取引相手の承諾

転売・買戻しにて契約を解消する際は、取引相手の承諾は必要ありません。当事者同士の同意は必要無く、自由に注文を出すことが可能です。これは先物取引が買い手と売り手となる当事者間に、第3機関(取引所)が介入するためです。売り手、買い手に関わらず、常に第3機関を相手に取引は進められます。しかも転売・買戻しで発生した差損益は、すべて還元されることになります。

差金決済

差金決済

転売や買戻しによる決済は、取引時に約定した先物価格と反対売買時に約定した差額金の授受により行なわれます。これを「差金決済」と呼び、商品を引き渡すことを条件に、反対取引で発生する損益のみを受け渡します。日本の商品取引所法では「商品の転売又は買戻した際は差金の授受によって決済することができる」と定義されています。すなわち、先物取引以外の取引で、転売・買戻しによる差金決済は行なうことができません。ここでいう先物取引の転売・買戻しは現物の受け渡しとは関係がないため、差金決済で取引を終えることができることになります。

リスク軽減効果

リスク軽減効果

先物取引はリターンが大きい反面、リスクも同様に大きくなる取引として認知されています。もちろん、一定のリスクを負うということを認識していなければ、先物取引を行なうことは危険だといえるでしょう。そこで重要になるのが、この転売・買戻しによるリスク軽減効果です。前述通り、取引相手の承諾無しに行なえる転売・買戻しの注文は自由度が高く、想定外の問題が生じた場合でも契約を即座に解消することでリスクを軽減することができます。こうした先物取引におけるリスク軽減が期待される注文の中で、転売・買戻しによる効果はしっかりと理解しておくと良いでしょう。

転売・買戻しの留意点

転売・買戻しの留意点

自由度が高いとご説明しました先物取引の転売・買戻しにおいても、知っておくべき留意点があります。例えば、市場価格により転売・買戻しが執行されない場合があることを覚えておかなければならないでしょう。市場価格が制限値幅に達している場合には、転売・買戻しによる最終決済を希望しても注文が約定されないことがあります。もちろんその場合には契約を即座に解消することができませんので、リスクの軽減効果も働きません。転売・買戻しは注文を執行するための条件が比較的乗り越えやすい分、こうした思わぬトラブルは見落としがちなので留意しておくと良いでしょう。

先物取引の進め方 ⑤満期

一般的に「満期」とは、契約や約束で決めた一定の期日に達すること、またはその期日を指します。先物取引でいいますと、約定の時点で取り決めた価格で売買する「将来の期日」にあたります。満期は取引の最終日でもあり、この時点で先物取引は終了となります。先物取引におきましては満期日の前日まで、転売や買い戻しなどの反対売買による差金決済が可能です。つまり、満期日を迎える前に取引を終了させることもできるため注意が必要です。

満期時点での価格

満期時点での価格

満期日時点での市場価格が、その先物取引で得た損益を決定付けます。取引を始める際に約定した価格と、満期日時点の価格の差し引きにより、買い手と売り手それぞれの利益や損失が分かります。

買い手の損益

満期日時点での市場価格が取引時に約定した価格よりも値上がりしていれば、取引前の価格よりも高く売ることができます。つまりこの場合は、差額分を利益として得ることができるので、取引はうまくいったといえます。反対に、満期日時点での市場価格が値下がりしていれば、損が発生してしまいます。

売り手の損益

売り手の場合は、買い手の損益と逆になります。満期日時点での市場価格が取引時に約定した価格よりも値下がりしていれば、取引前の価格よりも安く買うことができます。こちらもその差額分を利益として得ることができるので、取引は上手くいったといえます。満期日時点での市場価格が値上がりしていれば、安いはずのものが高くなってしまう逆鞘となりますので、損が発生してしまいます。

限月

限月

先物取引は限月制度が採用されており、満期を考える上で知っておくべき制度のひとつです。一般的に限月とは、取引の終了日である満期日の月を指します。つまり「満期を迎える月」を限月と呼びます。この制度こそが先物取引の特徴を決定付ける要素であり、株式などの取引と大きく異なる点になります。通常、株式ではその企業が倒産や上場廃止を発表しない限り、保有し続けることができます。しかし先物取引においては、限月制度で定められた満期日となった時点で自動的に決済を行なわなければなりません。しかし、多くの投資家はこの限月や満期を迎える前に反対売買を行ない、取引を終了させる場合が多くみられます。

特別清算指数

特別清算指数

先物取引において、満期日までに転売や買い戻しなどの反対売買が行なわれなかった場合に使用される清算指数。SQ値(スペシャル クォーテーション)とも呼ばれます。商品先物取引の場合は満期日にお金を支払うことで、現物を引き取ることができるため特別清算指数は適用されません。特別清算指数は主に、現物のない抽象的な指数を対象に取引を行なう株価指数先物取引において適用されます。

株価指数先物取引における特別清算指数は、3月・6月・9月・12月の第2金曜日と算出される日が決まっています。この特別清算指数はその日の大引け(後場の最後の売買)後に大阪証券取引所から発表され、満期日まで決済しなかった場合に特別清算指数で自動的に決算される仕組みとなっています。

先物取引の進め方 ⑥先物取引の決済方法

先物取引における決済は、「取引の途中の反対売買」と「満期日における決済」の2種類のタイミングで行なわれます。ここでは、実際に取引が終了した際の決済方法である、「差金決済」と「受渡決済」についてご紹介します。

差金決済と受渡決済

差金決済と受渡決済

基本的には、損益の差額の授受でのみ取引を終了させる「差金決済」が行なわれることがほとんどです。しかし商品先物取引の場合には「受渡決済」も選択としては可能になります。ここで2つの決済方法について仕組みを理解しておきましょう。

差金決済

差金決済

先物取引は満期日にモノとお金を交換することを前提に、取引が進められます。つまり「空想上のモノ」が決済時に「現実のモノ」となります。しかし、現実に存在するモノをわざわざ取引する手間を省くため、この差金決済という方法が用意されています。

例えば、すでに5万円で買った商品が7万円となった場合には、現実として手元には表れませんが「2万円の利益」と計算できます。この現実に無い「2万円の利益」を現実のお金にすることが差金取引です。実際は、5万円で買った商品を7万円で転売する代わりとして、2万円のお金を受け取ることができます。反対に、すでに5万円で買った商品が3万円になってしまったら「2万円の損失」と計算できます。この現実にない「2万円の損失」を2万円支払うことで取引を終えることも、差金決済です。

受渡決済

受渡決済

受渡決済は「現実のモノ」が存在しない金融先物取引で行なわれることはありません。商品先物取引でのみ行なわれ、さらには実際に受渡決済を選択する投資家はごく少数だということを覚えておく必要があります。それでは、どんな場合に受渡決済は行なわれるのでしょうか。それは、投資家の個人事情による特別な意思が関係してきます。受渡決済は、原資産を受け取ることが可能な商品先物取引のメリットにもなり得ます。例えば、現物商品を格安で購入したい場合や、手元にある現物商品を売却したい場合が挙げられます。

実際に受渡決済をするためには様々な条件が必要になりますので、こちらもしっかりと確認しておきましょう。

受渡決済の取引方法
受渡決済の取引方法

現受け(現物商品の受け取り)を希望する場合は、限月を指定して買い注文を出す必要があります。まずは現物用品の買い付けに必要な証拠金を入金し、その後商品によって異なる期日(納会日)の前日までに、取引所へ総取引金額を入金することで現受けは進められます。すべての入金が完了しましたら、現物商品の保有手段を選択して受渡決済は終了となります。

現渡し(現物商品の売却)を行なう場合には、限月を指定して売り注文を出す必要があります。商品によって異なる期日(納会日)の前日までに、取引所へ「倉荷証券」(商品を保有しているという証明)を提出して、現渡し希望の意思を示します。その後、指定の口座へ総取引金額が入金され、受渡決済は終了となります。

どちらも、受渡決済の意思表示を期日までに取引所へ示さなかった場合には、差金決済として進められてしまうので注意が必要です。